お客様の生の声を集め開発時の懸念が解消し、新たなニーズを発見!
課題
株式会社ウオールナット様は、全国の道路トンネル、水路、ダムなど土木構造物の診断調査サービス及び計測機器開発を手掛けている。国交省によるインフラメンテナンス2.0の推進や社会的な防災意識が高まる中、同社ではAIやロボットを活用した新サービスを立ち上げ、市場ニーズを取り入れた製品開発を行いたいと考えていた。しかし、社内にマーケティングの知識がなく、自社でマーケティングリサーチを行うことに不安を抱えていた。
対策
ウオールナット様はISBマーケティングに依頼し、マーケティングリサーチを開始した。回答者の負担をできるだけ少なくするために、調査手法や設問について両社での打ち合わせを重ねた。設問設計にあたっては専門用語を極力排しわかりやすい言い回しに置き換え、実際の現場調査員からも要望を募り質問を厳選するなどの工夫を行った。ISBマーケティングの手厚いアドバイスにより、スムーズに進めることができた。
成果
マーケティングリサーチの結果はウオールナット様の業務の幅を広げていく上で大きな収穫となった。新サービスに対する反応を知ることができ、開発前に抱いていた懸念事項が解消された。さらに、当初予想していなかった新たな用途の可能性があることがわかった。また、社内に結果を共有し機器開発や提案活動の参考にしている。今後は製品アピールを積極的に行い、より多くの土木構造物や施設を診断調査することで災害防止に貢献する。
高い技術力と現場対応力で社会インフラの診断調査や機器開発を推進
株式会社ウオールナット様は、1993年に設立され、土木構造物の診断調査サービスと計測機器開発事業を展開する企業です。社会を支える重要なインフラである全国の道路トンネルや水路トンネル、ダムなどのコンクリート構造物の欠陥や劣化状況の診断や調査を行っています。計測機器は、道路の空洞調査を行う探査車やトンネル撮影機器をはじめとして10製品以上を開発しており、全国の官公庁や自治体、ゼネコンに納入されています。その確かな技術力は、国交省をはじめとする産学官連携研究実績が豊富であり、中小企業の革新的な製品を都が表彰する「世界発信コンペティション」受賞ほか数々の栄誉に輝いています。また、人の立ち入りが難しい危険な箇所や暗所、狭小の現場において創意工夫を凝らした現場対応力が特長で、東日本大震災時も調査を依頼されるなど実績を重ねています。
国交省が進めるメンテナンス2.0の推進や防災意識の高まりとともに、社会インフラの診断調査市場は拡大しています。しかし、現場での調査には仮設足場や高所作業者の組み立てなどの設営準備、計測作業、データの解析など作業が多岐にわたり作業人員の確保が難しくなる中、作業の機械化・自動化ニーズが高まっています。そこで、ウオールナット様は、ドローンを用いた現場作業用ロボットとAIによる劣化診断サービスを組み合わせ、現場作業の省力化や低コスト化に資する新サービス開発プロジェクトを立ち上げました。
新サービスの可能性を見極めるためマーケティングリサーチを実施
ウオールナット様では、新サービスの市場での受け入れ可能性を見極めるため、マーケティングリサーチの実施を検討していました。しかしながら、誰にどのような手法で調査すべきか、どのような質問をすれば適切な情報が得られるのかなど、初めての経験のため不安を抱えていました。
株式会社ウオールナット 企画営業グループ 山本様
そこで、公的機関や技術アドバイザーに相談し、ISBマーケティングに依頼することに決定しました。企画営業グループの山本様は「実際にお会いしてお打ち合わせしていただいた時の対応や実績から安心して依頼できそうだと感じました」と当時を振り返ります。
マーケティングリサーチにあたっては、質問票のチェック、回答依頼先リストアップ、アンケートの稼働テストのご確認、依頼先からの質問対応やリマインドなどを両社で分担して行いました。
「初めてのことで右も左も分からなかったので、ISBマーケティングと打ち合わせを何度も行い、回答者の負担を少なくするための調査のやり方や設問についての注意点などアドバイスを受けながら進めました。専門用語を並べてしまうと、弊社を知らないお客様には回答していただけないため、どんな方でも伝わる言葉選びを意識しました。質問を厳選するために実際の現場調査員からも要望を聞いて絞りこんでいきました。ISBマーケティングが色々フォローしてくれたので、負担を感じることなく進めることができました。」
新たな気づきに手応え、サービス開発やお客様への提案に活用
マーケティングリサーチを実施した結果、多くの新たな発見がありました。
「新サービスに対する反応を知ることができ、開発前に抱いていた懸念事項を解消できました。さらに、私たちが想定していなかった施設や場所での活用の可能性があることがわかったことも、業務の幅を広げていく上で非常に大きな収穫でした。既存製品のニーズについて調査した結果、お客様側の製品認知度と社内の認識に大きな差があることも明らかになりました。私たちが予想していたのとは全く異なる分野で弊社の機器を使ってみたいという回答が得られ、意外な需要があることに驚きました」
リサーチ結果は社内全体に共有し、新サービス開発やお客様のご提案に活かしています。
「現在、電磁波探査ドローン『UAV‐R』が全国で現場での試用実験の段階ですが、2021年に地域で活躍する中小企業の技術の表彰制度『多摩ブルー・グリーン賞』優秀賞を受賞しました。問い合わせも増えており、大きな成果だと感じています」
ISBマーケティングの対応には満足しています。
「設問に関してはもちろん、私たちが困ったことや細かい点についてもアドバイスをいただきました。また実施期間や全体スケジュールなど臨機応変に対応してくださったので助かりました」
今後、ロボット開発やそれ以外の分野でもマーケティングを活用していきたいと語ります。
「マーケティングリサーチを行うことで、社内に良い影響をもたらすことができました。社会インフラの調査場所は非常に数が多く対象が多岐にわたりますが、さらなる作業の効率化やコスト削減が課題です。全国の土木構造物や施設を診断し、災害を未然に防ぐお手伝いをすることで社会貢献したいと考えております。今後マーケティングリサーチの機会がありましたら、ぜひ依頼させてください」
今回開発した電磁波探査ドローン『UAV‐R』ERA
[ 企業紹介 ]
株式会社ウオールナット
道路トンネル、水路トンネル、道路、農業施設、ダムなどのコンクリート構造物の非破壊調査をはじめ、調査機器の研究開発、技術提供、機器販売を手掛ける。非破壊調査のパイオニアとして、電磁波レーダによるトンネル調査をいち早く実用化した。お客様の要望に応える機器を独自に開発する技術力と現場での対応力を強みに、社会の安全に貢献している。
企業名: 株式会社ウオールナット
代表: 齋藤 豊
所在地: 東京都 立川市 幸町1-19-13
事業内容: 機器開発/電子計測機器設計・製造、測量/地質調査/建設コンサルタント、建設業
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